しまじろうさんと瀬田に出来たジオンズバー“サイド3”に潜入してきました。
わが連邦は、モビルアーマー1機分しかとりつけないサイド3駐車場に開店前に到着したものの、すでに白いモビルスーツがとりついていて、やむなく瀬田駅前の駐車場に戻り、白兵戦覚悟でサイド3を目指した...。
な~んてノリで行ってきました。元々ほとんど飲めないしクルマ通勤なんでバーなどというところに行ったことがないのですが、サンライズさんが開店時に花輪を贈ったというジオンズバーが職場近くにあると聞いて、これは偵察に行かねば!としまじろうさんを誘ったしだい。
ジオン公国国民以外を寄せ付けないかのような重い扉を開けると...小ぢんまりとした店内のあちこちにガンプラや関連グッズが多数並べられ、壁面1面の大スクリーンで“逆襲のシャア”が上映されていました。
予約の有無を聞かれ、していないと告げるとモニターが最も見難いカウンターの隅へ案内されました(我々が連邦だと悟られたのか...!?爆)。
まずメニューより先に上映作品をカレンダーでチェック、そしてドム(コーラ)とかザンジバル(烏龍茶)やトリプルドム(濃いカクテル3杯)などのドリンクやフードも量産型ザク(枝豆)など、それらしいネーミングが並ぶ。
しまじろうさんは量産型ザク(枝豆)と百式(生ビール)を、私はドム(コーラ)とドダイ(広島風お好み焼き)をオーダー。
「量産型ザクの補給を頼む」
とか、
「ドムがたったの10分で全滅...」
などと言いながら真後ろのスクリーンに見入ってしまう...。
ちなみに客は他に女性2人組、カップル、常連さん1人。皆さんがオーダーする声を聞くたびに、なんだかおかしい...^^。
今回は偵察目的のため、適当なところで脱出したのですが、扉に手をかけた瞬間、サイド3の皆さんから
「ジークジオン!ジークジオン!...」
と大きな声で送り出されてしまいました...f^^;。
いや~、なかなかオモロイお店でした。また行きたいです。今度は恥ずかしがらずにオーダーしたいところです(笑)。
ところで、私はガンダムといえば最初のガンダムです。もう30年も前にテレビで放映されたアニメですが、当時小学6年生だった私は合体シーンが出てくるオープニングを見て、あ~また合体ロボットアニメか~、もう卒業やなぁ、と見ませんでした。
ところが、プラモ人気が話題となったこともあって、中学の頃に再放送を見て...完全にはまりました。
いわゆる1stガンダムは、その世界観、メカのカッコ良さ、セリフのカッコ良さがわかりやすいのですが、実はよく出来た脚本、そして第二次大戦の敗戦国である日本でしか表現できないであろう戦争の悲惨さが随所にリアルに盛り込まれ(残念ながら映画では多くがカットされてしまってます)、単なるロボットアニメではなく悲惨な戦争アニメでもあるということが、作品に重みをもたらしているように思うのです。
印象的なシーンとして、アムロが敵に見つかりそうになって敵兵を射殺した場面で母親が「なんてことを!あの人にだって家族があるだろうに」と叱責します。母親にとっては戦争だからといって息子が人を殺すことは受け入れられないという当たり前だけど子供向けアニメで描かないようなことを、しっかりと描いているんですねぇ。言い換えると、人殺しはアカンけど戦争では人殺しが当たり前で、どれだけ敵を殺したかが評価される...という誰も疑わないことにアムロの母親は一石を投じたわけです。
私が怖いと思うのは、戦争が怖いのはもちろんですが、戦争では敵を殺すことが当たり前と思ってしまうことが一番怖いと思うんです。アムロはガンダムに乗り始めた頃、敵のモビルスーツは倒せるけど生身の人間にはまともに銃を向けることができません。戦いが怖くなって精神的な病気になったり逃げ出したり...しかし、徐々に戦いに慣れ、悲惨な戦争を早く終わらせるために戦う(米軍が日本に核を落とした口実と似てるなぁ…)という意義を見つけて敵戦艦やモビルスーツをバッタバッタと倒していきます。
内向的な少年が戦争の中で敵を殺すことにもっともらしい理由を見つけて、敵を殺すことに迷いがなくなり、やむを得ないことと思うようになっていくのです...。しかし!最後にララァと出会うことでニュータイプが人殺しの道具じゃないことに気付かされます。ガンダムが数を数えながらリック・ドムを次々と倒すシーンは単純にカッコ良くて胸が躍るシーンですが、簡単に人を殺すようになってしまったアムロに恐ろしさを感じるシーンでもあります。
1stガンダムテレビ版、見れば見るほど深いです。
見れば見るほど「それは無理やろ」とツッコミどころも随所に見えてきます(笑)。
とにかく、敵が宇宙人でもなければ悪人でもなく、思想の相違によって国を動かす政治家が引き起こした戦争で、実際に戦っている兵士は敵に恨みがあるわけでもなんでもなく普通の人間として描かれ、アムロたちはただ生きぬくために嫌々ながら戦いを続けるというスタンスが多くの人の共感を呼んだような気がします。
ところで、ジオンズバーで見た“逆襲のシャア”では核爆弾が安易に登場して宇宙空間で爆発しまくります。地球で爆発させないようにと宇宙空間で爆発させるのですが、地球は直接的には汚染されないかもしれませんが、宇宙を汚染していいのか?とツッコミたくなります。
そもそもアニメとはいえ核爆弾を使うのはどうなんでしょう?(ハリウッド映画もですが) 多くの日本人、ましてや広島や長崎の人が楽しい気持ちで見ることはできないんじゃないでしょうか。すごい破壊力のあるミサイルということなら、なにか他のモノやネーミングは考えられなかったのでしょうか...。
それに比べると1stガンダムでの核兵器が出てくるシーンは、さすが日本アニメと喝采を送りたくなります。“南極条約”という条約によって、核兵器の使用が禁止されているにもかかわらず戦いが劣勢となったジオンのマ・クベが苦し紛れに水爆を発射!ホワイトベースのクルーは敵から入手したミサイルの設計図を見て、とにかく核を爆発させない方法を必死で考え、アムロがガンダムでそれを実行します。その結果、水爆は爆発することなく多くの命が救われ、地球も汚染から守られます。
1stガンダムはテレビ版の全43話をじっくり見ると、とかくカッコ良すぎるメカとセリフのオブラートに包まれまくっていて表に出にくい部分、つまりリアルに描かれる戦争の悲惨さから、どんな理由があれ戦争だけはやっちゃイカンもんだという気がしてきます。映画しか見たことがない方には、ぜひとも1度じっくりとテレビ版の43話を見て、監督が実は伝えたかった反戦というテーマを感じてほしいなぁ...なぁ~んてなことを終戦記念日の今日、しみじみと思いました。 Love, Peace and SOUL!
記事を見てコメントする | 友だちに紹介する